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増える労災件数

《23年度過労死等の労災補償状況》

 厚生労働省が6月に公表した「23年度過労死等の労災補償状況」によると、過労死等に関する請求件数は、前年度より1,112件増となる4,598件でした。支給決定件数についても、前年度より195件増の1,099件で、いずれも大幅に増加していることがわかりました。

■脳、心臓疾患について

〇請求件数 … 1,023件(前年度比220件増)男852件、50代が344件で最多。女171件、60歳以上が73件で最多。うち死亡件数は247件(同29件増)。

〇支給決定件数は216件(同22件増)。男198件、50代が89件で最多。女18件、50代が7件で最多。うち死亡件数は58件(同4件増)。

業種別の傾向を大分類でみると、請求件数は「運輸業、郵便業」、244件、「卸売業、小売業」135件、「建設業」123件の順で多く、支給決定件数は「運輸業、郵便業」75件、「卸売業、小売業」29件、「宿泊業、飲食サービス業」25件の順で多くなっています。

■精神障害について

〇請求件数 … 3,575件(前年度比892件増)男1,725件、40代が494件で最多。女1、850件、20代が483件で最多。うち未遂を含む自殺は212件(同29件増)。

〇支給決定件数 … 883件(同173件増)男471件、40代が140件で最多。女412件、20代が115件で最多。うち未遂を含む自殺は79件(同12件増)。

業種別の傾向を大分類でみると、請求件数、支給決定件数ともに「医療、福祉」「製造業」「卸売業、小売業」が上位を占めており、中でも「医療、福祉」においては女性の占める割合が7割強と、とても高くなっています。

 時間外労働時間別の傾向でみると、支給決定件数は「20時間未満」が63件で最多でした。

■裁量労働制対象者について

脳・心臓疾患の支給決定件数は3件で、専門業務型裁量労働制対象者が2件、企画業務型裁量労働制対象者が1件でした。

また、精神障害の支給決定件数は6件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者でした。